【ルータ】内蔵アンテナながら高速通信を実現する「ASUS RT-AC85U」実機レビュー

インターネットに将来性を感じて学生時代からITネットワークの勉強をし続け、今はもう別の仕事をしていますが新卒で就職した当初は大企業向けのネットワークエンジニアをしてきました。

今でもネットワーク製品が好きで設定項目とかをついつい細かく見てしまうほどです。

グラフィカルなUIが好きでASUSの無線LAN(Wi-Fi)ルーターを愛用していますが、今回ASUSさんより「RT-AC85U」のサンプル品を提供頂いたので、実際に仕事場で使いながら設定・動作検証をしましたのでご紹介します!

ASUSのWi-Fiルーターのラインナップ

ASUSと言えばスマートフォン「ZenFone」やノートパソコン「Zenbook」やモニタ製品など、コンピューター業界以外の方にも馴染みのある企業ではないでしょうか。

実際には「ASUSTek Computer Inc.」という社名で、ASUSの日本語での正式な読みは「エイスース」となっています(昔は「アスース」派が多かった気がします)

Wi-Fi関連製品は主に一般ユーザー向けがメインですが、エントリーモデルからハイエンドモデルまでのラインナップが揃っています。

機種分類区分機種名発売日
Wi-FiルーターハイエンドROG Rapture GT-AC53002017/11/24
RT-AC32002015/9/11
RT-AC86U2017/11/24
BRT-AC8282017/8/10
RT-AC88U2016/3/11
ミドルレンジRT-AC85U2016/10/1
RT-AC68U2013/11/16
RT-AC65U2017/4/14
エントリーモデルRT-AC1200HP2015/9/11
Wi-Fi子機PCIExpress接続PCE-AC55BT2017/6/1
PCE-AC882017/1/18
PCE-AC682014/4/24
USB接続USB-AC68U2016/10/4
USB-AC562014/3/17
Wi-Fi中継器RP-AC552018/5/18
RP-AC522015/3/5
メッシュWi-FiLyra mini2018/5/10

※現在出荷/取り扱いしていない機器は含めておりません

参考 無線LAN関連製品ラインナップ | ASUS

日本で無線LANルーター(Wi-Fiルーター)を発売しているメーカーについてはこちらの記事で触れていますので、興味がありましたらあわせてご覧ください。

【自宅・小規模オフィス向け】SEが教える無線Wi-Fiルーターの選び方とおすすめ機種【予算別】
最近はどこの家庭でも色々な電子端末や電化製品を繋ぐためにWiFiネットワークを構築されるようになってきましたね。私はもともと...

RT-AC85Uの特徴

▼基本性能対応規格 : IEEE802.11a/b/g/n/ac
アンテナ数 : 内部アンテナ×4本
最大速度(5Ghz):1734Mbps
最大速度(2.4GHz):800Mbps
ビームフォーミング : ○
MU-MIMO:○
有線LAN(Internet) : 1000BASE-T×1
有線LAN(Hub) : 1000BASE-T×4
USB : 3.0ポート×1

なんと言ってもRT-AC85Uの最大の特徴と言えるのが、このスッキリした本体フォルムで実現する高速通信ではないでしょうか。

本機ではアンテナが内蔵型のため、非常にコンパクトなサイズ感となっています。

なんとなく外部アンテナの方が電波が強そうに感じてしまいますが、本機では5GHz帯であるIEEE802.11ac/n/aでの最大通信速度は1734Mbpsとなっています!(2.4GHz帯だと最大800Mbps)

これは外部アンテナモデルの「RT-AC68U」を凌駕する速度となっています。

RT-AC85URT-AC68URT-AC65U
5GHz帯1734Mbps1300Mbps1300Mbps
2.4GHz帯800Mbps600Mbps600Mbps

内蔵アンテナなので置き場所にも困りにくく、さらにWi-Fi通信も高速という特徴を備えたのがこのRT-AC85Uとなっています。

RT-AC85Uの外観・接続ポート

ASUSおなじみの黒基調デザインに加えて、RT-AC85Uでは特に金色のアクセントが多くてオシャレなデザインになっています。

附属品は非常にシンプルで電源ケーブルとLANケーブルがそれぞれ1本ずつ、あとはセットアップガイドとCD-ROMになっています。

ポート類はすべて背面に備わっていて、必要最低限の端子が配列されています。

さりげなく「ASUS」の文字が浮かび上がる加工もされていますね。

  • WANポート×1
  • LANポート×4
  • USB 3.0×1
  • 電源スイッチ
  • 電源ポート
  • リセットボタン

本体片側には「WPSボタン」が備わっています。

またなんと言っても、本体を起立させるための土台の部分(画像だと奥の金色の支え)が必要最小限デザインになっているところです。

置き場所に困らないような配慮なのかもしれないですが、これぞまさに機能美といえるデザインになっていて私は好みでした。

MU-MIMO対応なので複数接続に強み

▲本体外箱の裏面から引用

RT-AC85Uは「MU-MIMO」という技術に対応しています。

一般的に、1つのアクセスポイント(ここではルーター)に対して複数機器が同時にWi-Fi通信を行うと通信速度が低下してしまいます。通信の基本は1対1のため、都度通信を切り替える必要が出るからです。

この速度低下を防ぐのがMU-MIMO技術です。無線通信時に端末ごとに微妙に異なる電波を使用することで速度低下を防ぐ機能となっています。

そのため、家族が多いご家庭や同時に使用する機器が多い場合などには非常に重宝します!

他に備えている機能

他にもASUSルーター特有の機能を含めていろいろな機能を備えています。

  • AiProtection
  • AiRadar
  • AiDisk(ファイルサーバー機能)
  • AiCloud 2.0
  • ペアレンタルコントロール
  • プリンタサーバ
  • Wake on LAN
  • ASUS Routerアプリ対応

後ほど、Amazonの商品ページでも全面的にPRされている「AiProtection」というセキュリティ機能についての概要&設定内容をご紹介します。


RT-AC85U設定手順&使用感レビュー

ここからはRT-AC85Uを実際に設定しながら、設定画面とともに使用感をご紹介していきます。

私が利用しているインターネット環境はau光なのですが、ホームゲートウェイに接続するだけですぐインターネットに繋がるので手順としては非常に簡単になっています。

au光はIDとパスワードによる認証が不要なので、ルーターの設定も簡素化できて知識がない方でも簡単にインターネットを始められます

RT-AC85U初期設定

RT-AC85Uに「WAN/LANケーブル」「電源コード」を接続し、本体背面にある電源ボタンをオンにします。

今回はスマホを使って設定した際の手順をご紹介します。

▼パソコン×有線LANで接続した場合の手順についてはこちらのレビューでご紹介していますので、よろしければ参考にしてください。

【ルータ】広範囲でのWi-Fi通信に最適な「ASUS RT-AC68U」実機レビュー【AiMesh】
学生時代からITネットワークに興味を持ち、ネットワークエンジニアとして大企業向けのシステム設計・構築をしていたので今でも通信関連の製...
ここからはiPhoneを利用した設定画面でご紹介していきます

スマホからは「ブラウザ」「アプリ」のどちらからでも設定することが可能です。

iOS/Androidともにスマホアプリが用意されています。

ASUS Router
ASUS Router
評価
料金:無料
運営元:ASUSTeK Computer inc.
AppStoreボタン
GooglePlayストアボタン

スマホから設定する際はWi-Fiを選択することから始めます。まずはRT-AC85Uとスマホを直接無線で繋げるわけですね。

かんたんセットアップガイドによると「ASUS_XX_2G」または「ASUS_XX_5G」というSSIDが現れるとのこと(XXは2桁の数字)

私の環境では今回「ASUS_90_2G」というSSIDを選択しました。

このアクセスポイントに接続が完了すると自動でブラウザが開きましたがそれはスルーして、先ほどのアプリを起動します。

ブラウザでの画面を見たところ、PCで開いたときと同様の設定画面が表示されました(ブラウザでそのまま設定を進めても問題はなさそうです)

アプリ上でASUSルーターが見つかるので、「このルーターの設定をします」を選択します。

するとルーター本体にログインするためのアカウント情報の入力を求められますので、ここではデフォルト値となる「admin」をユーザー名/パスワードともに入力します。

サインインできたら、メニューより「クイックセットアップ」を選択します。

私の環境ではインターネット側に繋ぐだけで通信可能なので、このまま「開始」を選択していきます。

手動で設定する場合は、「PPPoE」や「スタティックIP」「ダイナミックIP」などのWAN接続タイプに応じた設定が可能となっています

基本的に設定する項目はSSIDの名前と暗号化キー(パスコード)のみです。

2.4GHz帯(IEEE802.11n/g/b)と5GHz帯(IEEE802.11ac/n/a)それぞれ設定します。

デフォルト値が入力されてはいますが、なるべくご自身で判断しやすいSSIDを設定してください。

▼ワンポイント個人的な見解ですが、使用しているルーター名はなるべく第三者に分からないようにした方がいいです。特定のメーカーが対象となる脆弱性が発見された場合に脅威になりえるからです。
そのため「ASUS」という文字列を含めないSSIDにすることをおすすめします。

最後にRT-AC85Uにログインするためのユーザー情報を設定します。

デフォルトではユーザー名が「admin」となっていますが、これは第三者から推測しやすいため独自のユーザー名にすることをおすすめします

ご利用のインターネット環境/プロバイダによって設定方法は一部異なってきますのでご注意ください

Wi-Fi通信速度の測定

今回AC-RT85Uの通信速度を測定するにあたって、3LDKの仕事場において3つの測定地点で計測していました。

オフィスビルのような広い仕事場ではないので、最後の1か所は玄関ドアの外で試してみました(玄関ドアで電波強度が落ちがちなので)

▼測定地点

  • 測定地点A:RT-AC85Uを設置したすぐ隣の部屋
  • 測定地点B:RT-AC85Uからもっとも離れた部屋
  • 測定地点C:玄関の外側

私が契約しているインターネット回線は最大100Mbpsで、今回の測定ではiOSアプリの「SPEEDTEST」を使用しました。

5GHz帯での速度測定

測定地点A地点B地点C地点
ダウンロード63.2 Mbps62.9 Mbps52.1 Mbps
アップロード92.0 Mbps92.5 Mbps90.1 Mbps

2.4Ghz帯での速度測定

測定地点A地点B地点C地点
ダウンロード46.4 Mbps38.4 Mbps24.2 Mbps
アップロード87.5 Mbps72.6 Mbps19.1 Mbps

速度測定した感想

その日の混雑状況にもよるので一概には言えませんが、ダウンロード/アップロードともに非常に速い数値が確認できました。

2.4GHz帯ではC地点の速度はだいぶ落ちてしまったものの、5GHz帯であればほとんど速度低下することがなかったことにも驚きました。

念のため電波強度を計れるアプリでも確認しましたが、内蔵アンテナモデルでも広範囲に強い電波強度が保たれているのが分かりました

AiProtectionの概要/設定

他にも備えている機種はありますが、RT-AC85Uにはルーター用セキュリティ機能である「AiProtection」が付いています。

これはトレンドマイクロ社の「Trend Micro Smart Home Network」技術を使用した独自のセキュリティ機能となっていて、主に以下の4つの機能を備えています。

  • セキュリティ評価
  • 悪質サイトブロック
  • 脆弱性保護
  • 感染デバイス検出/ブロック
  • ペアレンタルコントロール

特に「悪質サイトブロック」「脆弱性保護」「感染デバイス検出/ブロック」機能は、インターネットの出入り口となるルーター側で対処してくれる機能なので非常にありがたいと思いました。

幸い(?)にも検証期間中にこれらの機能にヒットすることはありませんでしたが、高齢の方やお子さまなどインターネットに不慣れな方が通信する環境では特に有効になりえると感じます。

最近ではスパムや悪質広告などでの被害も発生していることから、自動でアクセス制限してくれるのは予防策としていいですね。

ちなみにセキュリティ評価では、RT-AC85Uのルーター自身の設定でリスクになりえるものを診断してくれます

デフォルト設定だとこのような感じで評価されるので、不要であれば無効にするなどの判断がしやすくなるのが便利だと感じました。

スクリーンショットではご紹介していませんが、ペアレンタルコントロールでは端末ごとに通信を許可するスケジュールを細かく設定できたりと、お子さまを持っているご家庭向けにも有用な機能となっています。

▼気になったところAiProtectionの機能を有効にするにはトレンドマイクロ社の利用許諾に同意する必要があるのですが、利用許諾契約書の文面がきちんと印刷/保存できないのが不親切だと感じました。ここは改善してほしいところです。

回線切断問題に対応済み

Amazonなどでレビューを見ると、RT-AC85Uを使っているとインターネット接続が不定期に切断されるという書き込みが散見されました。

そのため私もこのルーターに対してあまりいい印象を持っていなかったのですが、2018/03/19にリリースされた最新のファームウェアでこのインターネット切断問題が修正されています

私が利用しているプロバイダがPPPoE接続ではないので本事象の検証は残念ながらできませんでしたが、念のためASUSの中の方にも確認したところ上記ファームウェアによってこの問題は解決されたとのことでした。

上記画像の赤字・赤線は私の注釈になります。本機のファームウェア情報はこちらからご確認頂けます。



RT-AC85Uは高速性能を備える家庭向け無線Wi-Fiルーター

私は今まで外部アンテナタイプのWi-Fiルーターを使うことが多かったのですが、内蔵アンテナでこれだけ高速な通信を実現できるのかと非常に驚きました。

電波強度も強く、思っていたよりも広範囲で快適な通信ができることがわかり、内蔵アンテナタイプのWi-Fiルーターのイメージが大きく変わりました。

内蔵アンテナなので本体のサイズも大きくなく、設置場所も柔軟に考えることができてかつ性能も充分なので、家庭用としては非常におすすめできる機種と言えます!

同一価格帯のASUSルーターの比較

実勢価格1~2万円で買えるASUSのWi-Fiルーター3機種をスペック/機能別に整理してみました。

どの機種にしようか悩んでいる方の参考になればと思います。

RT-AC68URT-AC85URT-AC65U
無線LAN規格IEEE802.11a/b/g/n/acIEEE802.11a/b/g/n/acIEEE802.11a/b/g/n/ac
最大速度(5GHz)1300Mbps1734Mbps1300Mbps
最大速度(2.4GHz)600Mbps800Mbps600Mbps
アンテナ外付け×3内蔵×4内蔵×3
対応動作モードルーターモード
アクセスポイントモード
リピーターモード
メディアブリッジモード
ルーターモード
アクセスポイントモード
ルーターモード
アクセスポイントモード
CPUCortex-A9 2コア 800MHzMT7621A 2コア 880MHzMTK MT7621A 2コア 880MHz
メモリ256MB128MB128GB
LAN1000Mbps×41000Mbps×41000Mbps×4
USB3.0×1、2.0×13.0×13.0×1
MU-MIMO×
AiRader
(ビームフォーミング)
×
AiProtection
AiMesh××
デュアルWAN××
WAN Bridge××
QoS
VPNPPTP/OpenVPNPPTP/OpenVPNPPTP/OpenVPN
ペアレンタルコントロール
推奨環境3階建て(戸建て)
4LDK(マンション)
3階建て(戸建て)
4LDK(マンション)
3階建て(戸建て)
4LDK(マンション)
最大接続端末数18台15台15台
サイズ幅220×高83×奥行160㎜幅205×高31×奥行147mm幅205×高31×奥行147mm
重量640g345.5g345.5g
実売価格2万円前後1万5千円前後1万1千円前後

▼RT-AC68Uのレビューはこちらでご紹介していますので、よろしければ参考にしてください。

【ルータ】広範囲でのWi-Fi通信に最適な「ASUS RT-AC68U」実機レビュー【AiMesh】
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