PS VRが変える映像作品とゲームの融合 | 次世代マルチメディア考察

いくつかの記事では「VRは果たしてヒットするのか?」というニュアンスの内容のものが出ていたりもしますが、VRは確実にヒットすると言っても過言ではないと私は思っています。

先日、このような記事が上がっていました。

参考 ゲームだけじゃない…VRが世界を変えるかもしれない8つの分野 – GIZMODO

この記事では、「報道」「教育」「医療」「ポルノ」「宗教」「エンターテインメント」「宇宙探査」「博物館」が分野として取り上げられていましたが、今回はこの「エンターテインメント」にあたる部分について、私なりの考察を交えて書いてみたいと思います。

PS VRの予約再開を早くして欲しいと願う一消費者ではありますが、私はVRを手に入れることで得られる体験がこれまでとはガラッと変わると想像しています。

タイトルに「PS VR」と付けさせてもらいましたが、これは家庭用(コンシューマー向け)VRであればどんな製品でも構わないと思っています。ただ、今コンシューマー向けで価格含めてもっとも普及する可能性が高いのが「PS VR」ですので、この製品にフォーカスしてお話ししたいと思います。

最新の映画事情から見る仮想現実の魅力

最近の日本では映画離れが叫ばれて久しいですが、「4D」と呼ばれる次世代シアターを体験した人たちはあらためて映画の面白さを再発見している声をよく聞きます。

ブランド(シアター機器メーカー)によって、「4DX」「MX4D」「IMAX」とあります。基本的には3D映像だけでなく五感に訴える演出を伴うものを「4D」と言いますが、テーマパークのアトラクションを楽しんだ感覚に近い体験を得られます。

映画館で体験したことがなくても、テーマパークでメガネを掛けて、振動や傾き、水や風、匂いなどの演出を味わったことがあれば、その面白さは想像できると思います。

映画そのものは多くの人が今も好きだと思うものの、刺激的なものが増えた現代において、椅子に座ってじっと映画を観るというのは性に合わなくなってきたのかもしれませんね。

ただ、ハイテクな映画を観ようと思っても、機材が備わったシネコンは全国で観るとまだ少ないです。料金も普通の映画の1.5倍以上の値段だったりするため、手軽に楽しめるものではないというのが現状です。




VRだと手軽に没入感を味わえる

PlayStation VR PlayStation Camera同梱版

反面、PS VRであれば手軽にVR環境を用意することができます。

手軽にと言っても、プレステ4本体とPS VR、PS cameraが必要なのでこれだけでも10万円してしまいますが、他のVR製品に比べたら充分安いです。

Oculus Riftだと日本で手に入れようとすると本体だけで10万円くらいしますし、その他に高性能ゲーミングPCも必要になるので、PS VRの2倍以上は掛かると思ってよいでしょう。

今、PS VRで注目を浴びているのは基本的にはゲームソフトです。PS4自体がゲーム機ということもあり、こうなるのは至極当然でしょう。

ただ、VRで実現できる世界が「ゲーム」という枠組みだけで考えると、それは可能性としては非常に勿体ないと考えます。

※既にビジネスの世界では、HTC Viveを使ったアイデアがたくさん生まれていて、VRの活用が盛り上がっています。

その世界の主人公になれるVR

バトルフィールド 4

今もゲームでは「FPS(一人称視点シューティング)」というジャンルが人気です。日本ではSplatoonのような「TPS(三人称視点シューティング)」の方が人気ですが、世界的に見るとTPSの方がよく遊ばれている気がします。

ちなみにこの「FPS」というジャンルに近い形の映画も存在しています。

基本的にはカメラマンという立場で進む作品が多い気のと、ホラーやパニック系のジャンルが多いのでなかなか馴染みは薄いかもしれませんね(笑)

私がそういう一人称視点の映画で初めて観たのは、「ブレアウィッチプロジェクト」でした。当時、6万円ドルという超低予算で世界で大ヒットしたことが話題になりましたね。その時、一緒に観に行った子はカメラ酔いして途中で退席していましたが・・・(笑)

また、ホラー映画の「REC」はパニックものの「クローバーフィールド/HAKAISHA」など、数は多くはないですが映画でも一人称視点のものがあります。

私はこのジャンルが好きなのですが、こういう一人称視点で進む映画は自分がその世界にいるかのような錯覚を得られるのが好きなんですよね。

こういうジャンルをより高度化することができるのが、VRだと私は思っています。



映像の中で主人公になった感覚を覚えるYoutube360°

自分が映像の中に入った感覚を覚えられるもの」として、その片鱗を感じ取れるのが「予告犯360°」です。

あまり知らない人が多いかもしれませんが、Youtubeで360度映像を見られることはご存じでしょうか?

CASIOが「THETA」というカメラを発売して一時話題になりましたが、こういう製品を使うことで今や気軽に360度映像が撮れるようになりました。もちろん、業務用のカメラも存在します。

先ほど挙げた「予告犯360°」は、生田斗真さん主演の映画「予告犯」と、WOWOWで放送された東山紀之さん主演のドラマ「連続ドラマW 予告犯 -THE PAIN-」のプロモーションムービーです。

非常に出来がよく、謎解き要素があるので何度も見返してしまうレベルの動画になっています。

百聞は一見にしかず、まだ未体験の方はぜひ試してみてください。

↑まっすぐ歩いている途中で振り返ると、この女性の正体がわかります

※スマホであれば問題ありませんが、パソコンだとChromeでないと見られませんのでご注意ください。

映像作品とゲーム要素の融合に期待している

Spike The Best 428 ~封鎖された渋谷で~

これは個人的な希望も入っていますが、ぜひゲーム会社または映画会社の方は協業した作品作りをして頂きたいと思っています。

私はノベルゲームと言われるジャンルが好きなのですが、その元祖「サウンドノベル」シリーズの「かまいたちの夜」にめちゃくちゃハマった世代なんです。

小説を読む感覚で、選択肢を選んで物語を進めていくという、小説とゲームの融合に非常に興奮しました。今でもサウンドノベルが好きです。

真かまいたちの夜 11人目の訪問者 PlayStation 3 the Best

ただ、このジャンルって文字を読まないといけないので、小説が好きじゃないと今いちハマれないと思うんですよね。文字を読まなきゃいけないし、映像部分も背景と影絵くらいなので想像力も必要になります。のめり込むには少々敷居が高いかもしれません。

しかし、映画の世界に主人公として入り込んで、かつ自分自身の行動を選択できたりアクションできたりすれば、間違いなく面白いと思うんですよね。

ある意味「ただのFPS」とも思えますが、映像自身はCGではなく「撮影したもの」にすることで、世界観がガラッと変わるのではないかと思います。

技術的なハードルはあると思いますが、これが実現すれば過去の映画のアナザーストーリーを楽しめるようなリメイク作品も作れると思うんです。

映画を見ていて、「お~ぃ、主人公!なんでそんな行動してるんだ!ちがうだろう!」って思うこと、ありますよね?そんなヤキモキした思いをせずに済むのが、次世代の映像マルチメディアなのかもしれません。




少なくとも映画作りは大きく革新する

PS VR自体に「シアターモード」があるので、従来の映画でも巨大な映画館で見ているのと同じ体験をすることができます。ただ、その機能はあくまでVRによって得られる基本的な恩恵だと私は考えます。

映画監督の巨匠、スティーブン・スピルバーグ監督がこのようなことを述べています。

スピルバーグ氏は、VRという新たなフォーマットが、映画監督の作品に対するコントロールを脅かすのではないかと指摘。この技術がもたらす視野の自由により「作り手が見せたいもの」より「観客が見たいもの」が優先されること。そして「全方位を見渡せて、どちらを見るか決められる世界に没入したとき、ストーリーが忘れられなければよいが」と懸念を述べています。

引用元 : スティーブン・スピルバーグ監督が「VR技術は伝統的な映画作りを脅かす」と警告 – engadget 日本版

作品の中で「何を見るか」を決めるのは作り手ではなく、視聴者になる時代がすぐそこまで来ているのではないでしょうか。