By: Leon Terra
兼ねてから噂されていた「新型PlayStation / PlayStation4 Pro(プレイステーション4 プロ)」が遂に発表になりましたね。
PS VRの予約がまだできていない私としては、早くVRの予約を再開してくれと願う気持ちの方が強いのですが(笑)、新しいPS4(コードネームではPS4 Neoでしたね)にももちろん興味を持っていました。
発表された内容やまとまった記事を色々と見た上で、PS4ユーザーとして「このPS4 Proは買いかどうか?PS4 Slimとどちらを買えばよいか?」を考えてみたいと思います。
既にPS4本体を持っているユーザーの視点と、これからPS4の購入を考えている方の視点、両方を意識して考察したいと思います。
PlayStation4 Proの主なスペック
PS4 Proの細かいスペックを見てもなかなか分かりづらい部分があると思います。本記事では、性能が上がっているPS4が従来機と比べてどんな差異があるかを中心に見てみます。
また、今回の発表を受けて特に気になったポイントについても触れたいと思います。
カラーバリエーション
現在のPS4本体は黒と白の2色で展開されていますが、Proに関しては黒(ジェット・ブラック)一色のようです。
白のPS4が好きな私としては非常に残念ですが、ないものは仕方ないですね(笑)
価格
多くの人が気になっていた価格ですが、日本だとPS4 Proは税別44,980円になるようです。税込みだとここに約3600円が加わる形なので、少々お高いですね。初期型PS4よりも高いです。
ちなみに、PS4は世界の地域によって価格が異なりますが、今のUSドルの為替が100円ちょっとで推移しているので、米ドル建ての国向けだと399USドルと少しお買い得な気がします。
今回同時に発表された新型PS4(PS4 Slim 500GB版)は税別29,980円で、こちらは実質従来のPS4本体と同等の性能のものになります。となると、PS4 Proと通常PS4本体の価格差は約1.5倍ととらえてよさそうです。
15,000円の価格差はPS4のゲームソフトが新品で2~3本分にあたるので、これから購入を考えている人には悩ましい価格差かもしれません。
CPU
PS4 ProのCPUは「x86-64 AMD “Jaguar”, 8 cores」です。これはカタログスペックだけ見ると、従来型PS4で採用されてきたものと同じです。
しかし、Proに載るCPUはプロセスが微細化されており、より小さな電流・電圧でプロセッサを動かせるようになっています。その結果、処理性能の目安となる動作クロックが上がっていて、従来型PS4が動作クロック1.6GHzだったのに対して、Proでは2.1GHzと約1.3倍の性能向上になっています。
4K対応や描画が滑らかになるという特徴を出すためには、CPUも上がっていないといけないので、この辺は妥当なところだと思います。
GPU
ゲームのグラフィック性能を出すにあたって、より重要になるのがこのGPUです。
こちらは従来型PS4が「1.84 TFLOPS, AMD Radeon based graphics engine」だったのに対して、PS4 Proは「4.20 TFLOPS, AMD Radeon based graphics engine」となっています。
このFLOPSというのは「単精度浮動小数点演算性能」という何とも難しい名前の理論演算性能を示す値なのですが(頭のTは単位のテラ)、これは計算できる性能値を示すものなので単純比較で約2.28倍の強化になっています。
詳細なスペック的には、従来型PS4が演算ユニット数が18基で動作クロックが800MHz、Proだと演算ユニット数が36基で動作クロックが911MHzと大きな進化が見られます。
メモリ・HDD
メモリに関しては、カタログスペックでは従来型PS4もPS4 Proも「GDDR5 8GB」となっています。ただ、実際にはメモリクロックとメモリバス帯域幅が向上しており、小幅ながらも進化があります。
また、HDDはProは1TBとなっています。従来型PS4にも1TB HDD版がありましたが、HDDだけなのにちょっと高い印象がありました。そういう意味では、「Proなんだから1TBは積んでおこうか」という意図が見えてきます。
ただ、Proを買うユーザー層はヘビーゲーマーである傾向が強いと考えらえるので、多くのPS4ゲームを遊ぶには1TBでもまだ心もとない気がします。
そんな私はPS4のHDDを自分で換装して2TBにしているので、もしProを買ったら同じように交換してしまう気がします(笑)
Wi-Fi(無線LAN)
個人的にはPS4 Pro/PS4 Slimで重要な進化だと感じているのが、このWi-Fi(無線LAN)の部分になります。
FPSや格闘ゲームなど一瞬が大事なオンラインゲームなどでは、通信遅延は致命的な問題になります。そのため、あえて無線LANではなく有線LANで通信する人も多数います。
私も有線派の一人ではあるのですが、今の家では電話回線の設置個所の問題で無線LANを使っています。ただ、Wi-Fiルータは家庭用向けでは比較的高価なものを選んで、設定もある程度チューニングをしたので遅延なくプレイできています。
それでももっと通信を安定させたいという思いはありますので、今回「IEEE802.11ac」という最新の無線LAN通信規格に対応したのはデカい変更点だと思っています。
通常のPlayStation4との違い
スペック的な部分について述べましたが、PS4 Proは大幅な性能向上をメインとしたPlayStation4であることは間違いありません。では、それによってどんな恩恵が受けられそうなのか?
SIE(Sony Interactive Entertainment)の発表では、PS4 Proによって4K映像出力やフレームレートの向上、シェーダの品質向上が挙げられています。PS4 Proの専用ゲームタイトルが出て来る訳ではないようです。
メインとなる要素の4K映像出力も、そのまま4K映像が出力されるのではなく、フルHD画質のものを4K向けにアップスケーリングするようです。既存タイトルも4K対応のパッチを配布するとアナウンスが出ていますが、根本的に4Kの解像度で描画するということではないと考えられます。
そう考えると、より美麗なグラフィックを求めるユーザーにはよりゲームを楽しむことができると考えられますが、グラフィックをそこまで重視していない方であれば通常版でもよさそうな気がします。
また、「PS VRに合わせてPS4 Neoがリリースされる」と噂されていたのでVRに関する機能があると思ったのですが、その点については特筆すべき点はなさそうです(4Kブルーレイに対応していない点もちょっと残念ですね)
PS4 Proは買いかどうか
By: Leon Terra
PS4 Proは、家庭でより高精細な映像を楽しめるAV環境が整ってきたがゆえに登場した、ハイエンドPlayStation4という位置付けでいいと思います。
しかし、4Kテレビや4Kモニタでゲームを楽しんでいるという方は、まだ少数派だという点は否めません。
そういう意味では、PS4 Proの購入をおすすめできるユーザーは以下のような方になると考えます。
- 今現在4Kテレビ/モニタを持っていて、PlayStation4のゲームをよくプレイする方
- 今後3年以内に4Kテレビ/モニタを購入する予定がある方
- Wi-Fi(無線LAN)でオンラインに接続しているマルチプレイゲームが好きな方
- ゲーム実況Youtuber
最後は半分冗談も含んでいますが(笑)、PS4 Proでは4K対応のストリーミング配信が可能になります。YouTubeが4K対応して久しいですが、4Kで動画を見る人がそこまで多くないので、普及している感はありません。
しかし、地デジ化&家電エコポイント需要で液晶テレビなどを買い替えたご家庭の多くが2009年~2011年頃に固まっているので、2020年には東京オリンピックに向けて再来年あたりから4K/8Kテレビの買い替え需要が高まりそうな気がします。
4K動画の需要が来た時にやり始めても、YouTUbeで成功する確率は下がってしまいます。今の人気YouTuberは時代を先取りして下積みした人が多いですからね。そういう意味では、時代を先取りして4K動画を配信するのもアリかもしれないと思い、対象ユーザー層として挙げさせてもらいました。
ライトユーザーはPS4 Slimでいいと思う
2016年10月にはPS VRが発売されますので、これまでPS4本体を持っていない方も購入される方が増えると思います。そのため、今回の発表を首を長くして待っていた方も少なくないでしょう。
個人的に、「PS4のゲームを遊んでみようと思っているけど、そこまで頻繁には遊ばない」というライトユーザーの方であれば、PS4 Proではなく新型PS4(Slim)でいいと思います。税別29,980円と、税別ながら3万円を切っているので手ごろな価格になったと感じます。
価格が安くなっても性能が落ちるわけではないし、サイズも重量も小さくなり、Wi-Fiは802.11acに対応します。そのため、発売日も2016年9月15日とすぐそこですので、PS4 Slimが発売されてから購入でいいと思います。
Amazon 新型PlayStation4特集ページPS VRと同時にPS4を買う方はどうすればいいか
もしかしたら、PS VRの予約が済んでいてPS4 Neoの噂を知ってたからまだ本体を買い控えている方もいたと思います。PS4 Proの発売が11月に食い込むのは意外だったので、今悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
これは個人的な意見になりますが、旬のVRを楽しむのは早いほうが話題性もあって絶対いいと思いますので、新型PS4(Slim)を買ってしまうのがよいのではないでしょうか。
ただ、「どうせお金を出すならProを待ちたい」という思いがあるなら、1か月ほど我慢したほうがいいですね。安い買い物ではないので、焦って妥協するとやっぱり後悔しちゃうと思いますし。
個人的には、もしVRを持ち腐れしてしまうのであれば、その間VRを貸してほしい気持ちでいっぱいですが(笑)