あのファミコン時代から愛されている「スーパーマリオシリーズ」の最新作、Wii U「スーパーマリオメーカー」(2015/9/10発売予定)の海外レビューが異常なほど高いという記事を目にしました。
参考 『スーパーマリオメーカー』海外レビュー海外のゲームレビューサイトって、日本のゲーム雑誌と違ってけっこう辛口なところが多いんです。そんな中で、軒並み満点に近い評価を得ています。
Nintendo Life – 10 / 10
Polygon – 9.5 / 10
GameSpot – 9.0 / 10
IGN – 9.0 / 10
従来のマリオ(というかだいたいのゲーム)は、遊ぶステージやコースは全て用意されていて、ユーザはどう攻略していくかを楽しんでいました。
しかし、このゲーム『スーパーマリオメーカー』は
自分でコースを作らなくてはいけないのです!
一見すると「コースを作る、ただめんどくさそうなゲーム」とも思えてしまうのですが、このゲームは国内外でとっても評価が高いのです!
これはきっと神ゲーになりますよ、その予感がプンプンします。初代スーパーマリオを発売日して間もなくから遊んでいた私のアンテナが反応しています。では、なぜこのゲームがそんなに面白いと思わされるのか、その理由をゲームの歴史とともに考察を交えながら隅から隅までご紹介したいと思います。
当サイト関連記事 スーパーマリオメーカー攻略記事まとめ「スーパーマリオ」とは?
もはや任天堂の代名詞とも言えるキャラクターと言えば、「マリオ」ですよね。ちなみに弟の「ルイージ」は双子だったりします。(ルイージ好きも結構いますよね。私もルイージ好き)
そんな「マリオ」が初登場したのが、ファミリーコンピュータが発売されたのと同じ年の1983年でした。もう30年以上も前になります。初めて登場したときは、「マリオブラザーズ」というゲームで、今のような横スクロールアクションゲームではありませんでした。
その後、1985年に「スーパーマリオブラザーズ」として同じくファミコンで発売されます。これが空前のファミコンブームを引き起こすほどの大ヒットを起こしました。先ほども挙げた米国IGNで「史上最も影響力があったゲーム100選」において1位に選出されるほどの偉大な作品です。全世界で4,000万本以上を売上げ、「世界一売れたゲーム」としてギネスブックにも登録されています。
今でも最新ハードであるWii Uで続編が登場している、世界で愛されているゲームシリーズ。それが「スーパーマリオ」です。
「スーパーマリオメーカー」って何?
公式サイト http://www.nintendo.co.jp/wiiu/amaj/※以下、スクリーンショットの一部は公式サイトより引用
そんな「スーパーマリオ」のコースを自分で自由に作って遊べるのが、この「スーパーマリオメーカー」なんです。
画面はお馴染みの横スクロールアクションです。3Dのマリオワールドのようではなく、定番の2Dです。その画面に、ブロックやノコノコや土管やキノコや雲、果てはクッパまで配置して誰でも簡単にゲームクリエイトすることができるのです。
(ちなみに、大きな声じゃ言えませんが、仕組みをうまく使ってシューティングゲーム風にしているコースもあるんです。記事の後半で動画紹介しますので、見てくださいね)
今までの一般的なツクール系ソフトだと、コントローラーで配置をしていくので、非常に作るのが面倒でした。しかし、Wii UはGamePadがあるおかげで、手元のGamePadをペンでスッスッと動かしながらブロックなどの配置ができるので、すごい簡単にコース作りができるようになっています。
・・・えっと、あまりピンと来ませんか?
そうですよね。ゲームは普段遊ぶもので、作るものではないですからね。イマイチ分かりにくさがあると思います。ただ、ゲームを作るのはとても面白いのです!
ということで、こういうクリエイト系のゲームの面白さをちょっと語らせて頂きたいと思います。
何が評価されているのか?
先ほどの海外レビューサイトでは、果たしてどんな点が評価されていたのか、まずは確認しておきたいと思います。
いくつかポイントとなるレビューを引用させてもらいます。
『スーパーマリオワールド』のステージが数千、『スーパーマリオ3』のミニ続編が数百生まれる可能性があるのだ
火を吐く巨大なパックンフラワーを作れるだけでなく、空を飛ばすこともできると判明した時、その可能性を考えて大きな笑みを浮かべてしまった
自分で『マリオ』ステージを作るというのは、子供なら誰もが一度は夢見たはず。『スーパーマリオメーカー』は、その夢をほぼ完璧に叶えてくれる
『スーパーマリオメーカー』は大きなポテンシャルを秘めているが、真の素晴らしさは、発売後に驚異的なステージが生まれてからのみ顕在化するだろう
今回の作品は、マリオ30周年を記念してリリースされます。普通、○○周年でやることと言えば、ドキュメンタリードラマを作ったり、イベントを開催したりとそういうのになりがちですが、「スーパーマリオ」を自分で作るということをゲームにするところが高く評価されています。
また、軒並みコース作りの簡単さを評価しています。Wii UではGame Padといってコントローラに液晶が付いている特殊なものになっています。それが「コースを作る」というインタフェースとして完全に適していると評されています。確かにその通りですね。
また、コースを作るって自分で楽しむのが全てではなく、「全世界のユーザが作ったコースを楽しむことができる」という夢のような機能を備えています。過去作品を彷彿とさせるようなコースから、絶対にクリアできないだろうという超難度のコースまで、可能性が無限に秘めているわけです。
これは面白くないはずはありません・・・!!
ちなみに国内では
国内でゲームをレビューしている有名どころと言えば雑誌『ファミ通』ですよね。(ちなみに、ファミ通のファミは、ファミリーコンピュータ=ファミコンの略です)
その週刊ファミ通2015年9月17日号にて、『スーパーマリオメーカー』がプラチナ殿堂入りを果たしています。やはり!という感じです。
参考 『スーパーマリオメーカー』がプラチナ殿堂入り | ファミ通.comゲームを作るゲームは果たして面白いのか?
とは言え、先ほども述べたように、ゲームを作るゲームが果たして面白いのかという疑問があると思います。しかし、その疑問は過去のゲームが証明してくれます。
マリオペイントの大ヒット
マリオペイントなう pic.twitter.com/ABaIO1LzI4
— そらまめ (@soramame_53) 2015, 8月 25
スーパーファミコンの時代の1992年に「マリオペイント」というゲームが発売されました。
当時はパソコンなんて日常的にお目に掛かることはないレベルでしたが、この「マリオペイント」ではマウスが付いて来たんですよ。 この「マウスを使って絵を描く」というのが当時大ヒットしました。
私もやっていましたが、面白くて色々描いたのをうっすらと覚えています。なぜうっすらなのかというと、ペイントよりもむしろハエ叩きばっかりやっていたからなのですが(笑)
ゲームではないですが、ユーザ自身がクリエイトするという作品は、この時から面白さを含んだものだということが伺えます。
ツクールシリーズ
ファミコンクエスト <RPGツクール2000> http://t.co/JsFsg0EBor pic.twitter.com/3LS9gYdYlI
— RPGツクール -名作美術館- (@RPGtkool0000) 2015, 1月 17
シリーズ通して色々なジャンルのものが誕生しましたが、「RPGツクール」というゲームが存在します。
もともとはパソコン向けにツクール系のゲームが出ていたのですが、コンシューマ機であるスーパーファミコンで初めて登場したのが「RPGツクール SUPER DANTE」でした。1995年のことです。
当時はRPGというジャンルは一大人気を誇っていまして、スクウェアとエニックス(当時はまだ別会社でした)を中心に面白いRPGがたくさん世に出ていました。「そんなRPGを自分で作っちゃおう!」というのが「RPGツクール」でした。
文字の入力がコントローラでめんどくさかったり、魔法を10個以上覚えると古いものから忘れたりと、ハードの性能もあって制限が結構ありましたが、自分でRPGの世界を作れる楽しさがあったことをよく覚えています。
一般的な大ヒットとまでは行かなかったと記憶していますが、その後コンシューマ向けは第6作まで作られるという人気でした。今もパソコン向けのRPGツクールは開発されています。
ちなみに私は「音楽ツクールかなでーる」というゲームに中学生時代ハマってました。これもツクールシリーズの1つで、音楽がスーパーファミコンで作れちゃうという代物でした。スーファミでDTM(デスクトップミュージック)ができるようになるなんて、衝撃的でしたね。
シムシティで街作り
私は小学生の頃にパソコン部なる謎のクラブに入っていたのですが、そこでひたすらシムシティをやってました。まだWindows3.1の時代で、「街を作る」というのは強烈なインパクトがありました。
だって、「道路に蟻んこみたいな車がいっぱい走ってるんですよ!」(笑)その芸の細かさに私は超惹かれてやりこみました。
その後、スーパーファミコンで「シムシティ」が出ますが、これにハマった人がたくさんいるのではないでしょうか。どちらかというとシミュレーションゲームではありますが、「作る」というものは人を魅了する何かを持っています。
リトルビッグプラネットのステージ作り
PlayStation3で初めて登場した「リトルビッグプラネット」という横スクロール型の3Dアクションゲームがあるのですが、これ2人プレイするとすごい面白いんですよ。セガサターンの時に、「クロックワークナイト」という横スクロールアクションがあったのですが、それを彷彿とさせる雰囲気で、懐かしさとともに色々な要素があってとても楽しみました。
※ちなみにこのゲームですが、女の子と一緒にプレイすると盛り上がりますのでオススメですよー >男性諸氏
ストーリーはもちろん面白いのですが、ステージを作る要素もまた楽しいんです。ステージ作りと材料となるパーツやステッカーをストーリーを攻略しながら集め、集まったらそれらをステージを作ります。
える兄がVITAのゲームのリトルビッグプラネットでステージをクリエイトしたから遊びに行った pic.twitter.com/7wYf2XfjXh
— 宮本小次郎 (@kojiro_miyamoto) 2014, 2月 19
インターネットを介して世界中の人が作ったステージを遊べるのですが、「なんでこんな複雑で発想豊かなステージが作れるの!?」と常に驚かされていました。特に、映画のオマージュみたいなステージがたくさんあって面白かったですね。
みんな、自分が作ったステージがたくさんの人に遊んでもらって、楽しんでもらえるのが嬉しくてしょうがなかったんだと思います。
大流行しているマインクラフト
テレビでも取り上げられるほどの大ヒットをしているのが「マインクラフト」ですね。サンドボックスゲームというジャンルなのですが、立方体のブロックを自由に配置して、自分の世界を作っていくゲームになっています。
自分で作った世界のブロックを破壊したりもできますし、道具を作るための素材を集めたりと、オープンな世界を楽しめます。最近だと、お子さまの頭脳教育にも良いということで、クリエイトすることをしたり、簡単なプログラミングをしたりと幅広く遊ばれているようですね。
「自分だけの世界」を作れることの楽しさって、みんな持ってるのでしょうね。
「スーパーマリオメーカー」の特徴
勢い余って長々と書いてしまいましたが、「ゲームを作る」というジャンルがこれまでにどれだけヒットし、人々を魅了したのかを知って頂けたかと思います。
では、今回発売される「スーパーマリオメーカー」は何が面白いポイントなのか、簡単にご紹介したいと思います。
通常ありえないキャラ配置ができる
[今日のスーパーマリオメーカー] 2日目、クリボーマシマシ! #スーパーマリオメーカー pic.twitter.com/Mq2E2Dwk6c
— 任天堂株式会社 (@Nintendo) 2015, 8月 18
画像を見てもらえば分かると思いますが、クリボーがトーテムポールのようになっています。それもいくつも!こんな敵キャラの配置、今までのスーパーマリオではありえなかったですよね?
こういう無茶な配置が、「スーパーマリオメーカー」ではできるようになっているんです。そしてよく見ると、クリボー何か靴っぽいのに入ってるけど・・・(笑)
ちなみに、クリボーだけでなく、ノコノコもマシマシでいけます。
他にも、コインの配置が自由にできますし、キラーの砲台からバンバンコインを吐き出すなんてこともできたりします。・・・面白そう!
超ゲキムズなコースが作れる
[今日のスーパーマリオメーカー]7日目、敷かれたレールをなぞるだけの日々でした。#スーパーマリオメーカー http://t.co/G226GOffzJ pic.twitter.com/Plf2IOfkcw
— 任天堂株式会社 (@Nintendo) 2015, 8月 25
「これ、どうやって進めばいいのでしょうか・・・?」と思わされるような激ムズで複雑なコースが自由に作れます。もはやどうなっているのか、訳が分かりません(笑)
落ちたら死んじゃうようなステージでいじわるに近いブロックの配置をしてみたり、ひたすらドッスンが落ちてくるコースを作ったり、電流ビリビリ棒のような仕掛けだらけのステージにしてみたり、色々なコースを作ることができます。
そして、この激ムズコースを作るにあたって、ここがミソなのですが
作った本人がクリアしたコースじゃないとインターネットに公開できません!
この制限を知った時に「さすが任天堂」と思わざるを得ませんでした。
これがあることで、「なんで作者がクリアできたのに、俺様がクリアできねーんだ!おらぁぁぁ」となる子どもが出てくるはずです。熱中しすぎてお母さんに怒られるかもしれません(笑)
好きなシリーズでコースが作れる
[今日のスーパーマリオメーカー] 5日目、遊園地のような家に住む夢がかないました。 #スーパーマリオメーカー pic.twitter.com/k1DonlylF1
— 任天堂株式会社 (@Nintendo) 2015, 8月 21
「2Dマリオなら、どうせファミコンの画質程度でしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、全然そんなことはありません。そこは任天堂、まったく抜かりがありません。さすが30周年。
「初代スーパーマリオ(ファミコン)」「スーパーマリオブラザーズ3(ファミコン)」「スーパーマリオワールド(スーファミ)」「ニュースーパーマリオブラザーズU(Wii U)」と、過去から現在までのシリーズのコースが作ることができます。
画像のクッパは立体感がありますよね。これはWii U版のシリーズのものですね。ファミコン版で懐かしさを味わったり、Wii U版の綺麗なスーパーマリオを作ったり、楽しさがさらに増える仕組みになっています。
コースにオトを仕掛ける
これは今までのスーパーマリオにはなかった要素だと思います。
「オト」と呼ばれる要素、例えば「着信音」を流して不意にプレイヤーの注意を引きつけたり、「ネコパンチ」を出してアクセントを付けたり、おかしな場所で「笑い声」を流したりと新しい楽しみ方ができます。
自分で作った分には楽しめないですが、他の人にプレイさせた時に、驚かせたり笑わせたりできるのって見ててとても面白いと思いますよ。
小ネタ(ハエタタキ)もある
先ほど「マリオペイント」のお話をさせてもらいましたが、その中にマウスを使ってハエタタキするミニゲームがあったんです。
動画を見てもらうとどんなものか分かりますが、コースを作成しているとハエが飛んできます。そしていきなりハエタタキゲームに突入するんです!
往年のゲーマーも、思わずニヤッとしてしまう小ネタになっています。もしこれがめんどくさければ、スプレーで一掃できるようになっていますので、邪魔にもならず安心です。
あと、キノコを食べるとマリオがクリボーになっちゃう効果も作れちゃうらしいですよ。
みんなが作ったコースが遊べる
これが個人的にはもっとも素晴らしい特徴ではないでしょうか!
インターネット上の人気のコースをプレイしたり、好きな「スーパーマリオメーカー」職人を探して、その人の作ったコースをひたすら遊んでみたり、そんな楽しみ方ができます。コースを作るクリエイターは日本だけではなく、世界中に生まれるはずです。
きっと、思いも寄らない奇想天外なコースが登場すること間違いありません。それは、「リトルビッグプラネット」のステージクリエイトで実証済みです。外国の方が作ったステージは、ただただ驚くようなステージがたくさんありました。きっと、「スーパーマリオメーカー」でも私たちを楽しませてくれるコースがたくさん登場することだと信じています。