うちの子も10ヶ月を過ぎ、1歳がすぐそこまで見えてきました。長かったような短かったような。
「気付けばあっという間だったなあ」と感慨深いものがあります。
最近は親の姿を後追いしてハイハイしてくるのですが、その姿が妙に愛くるしいんですよね。
そんな姿を見ているときに、ふと思ったんです。
「あぁ、自分が赤ちゃんの頃もこんな感じだったのかなぁ」と。
そんなことを思った時に、自分が今育児をしていることって「人生において記憶のない幼少期を追体験しているのかもしれないな」と考えたんです。
今回はそんな思いを語りたいと思います。
赤ちゃんはすぐ忘れちゃう
赤ちゃんってわりと人見知りする子が多いですよね。毎日会っていればちゃんと覚えてくれるのですが、しばらくぶりに会った親族なんかもう忘れちゃって抱っこされるとギャン泣きしちゃいます。
うちの子なんて、パパの髪型がちょっと変わっただけでも別人だと思い込んでギャン泣きしちゃいますからね。
顔を忘れたとかそういう話じゃないのかもしれないですが、坊主頭を3cm短くしただけでも泣かれた時はさすがに凹みました(笑)
自分の子どもを見ていても、うっすら覚えることはできても長く記憶を留めるのは難しいんだろうなあとはやっぱり思います。
生まれてから3~4歳ごろまでの記憶がないという現象は、“幼児期健忘”といいます。しかし、この時期にまったく記憶できないわけではありません。研究で、生後3ヶ月で1週間、4ヶ月で2週間ほど記憶が保持されることがわかっています。
この引用の内容を見ると、やっぱり赤ちゃんの頃はそれほど記憶を保持できないわけですね。
もし子どもが乳児期の頃にパパやママがうっかり長期出張なんてあったりすると、赤ちゃんも顔を思い出すのに時間が掛かって大変なんでしょうね。
乳幼児期の記憶は残らないのか
私自身の記憶を探ってみると、一番古いものって5歳くらいなんですよね。まあ年を重ねて忘れていっただけかもしれないですが。。。
世間一般的に見ると、3歳児頃から記憶が定着することが多いようです。
3歳ぐらいだったかな、唯一覚えてる記憶がそれだ
— 隼 (@spl_an)
2016年3月11日
人間3歳くらいまでの記憶って残らないもんだなぁ — ますと (@mst_ac) 2016年3月11日
脳の記憶を司る「海馬」がほぼ完全な形になるのはだいたい2歳~3歳くらいであるとされています。つまり2~3歳以前の記憶がないことは脳の発達の面からも、いたって当然のこと。これを「幼児期健忘」ともいいます。
赤ちゃんって他の動物に比べて、成長が遅いじゃないですか。
同じ哺乳類の馬なんて生まれたその日に歩けるのに、人間は歩けるようになるまで1年前後掛かります。それだけ高度で複雑な動物なのかもしれないですが、色々な面で生まれたときは不完全なんですよね。
脳が充分に発達していない乳幼児だから、記憶も残らないというのはうなづけます。
自分の人生で幼少期の記憶はない
生きていると「先週食べたもの」なんて忘れちゃうから、別に幼少期の記憶がなくったっていいのかもしれません。
小学校や中学校時代の行事のことだって、全部覚えている訳ではありませんし。
でも、自分の小さいときがどんなことをしていて、どんな経験をしていたのかを知りたくないわけじゃありません。どんな気持ちで母の後をくっついて歩いていたのか、知りたいとは思ってしまいます(うちは父親が家にいなかったので特に)
当時の写真を見ればもちろんイメージはできますが、まだ写真がフィルムだった時代もあってそんなに残っていません。動画なんて尚更ありません。
育児をしていると自分が赤ちゃんの時を追体験できる
自分の分身のような子どもが生まれて、「ママに似ているかな、パパに似ているかな」なんてコロコロ顔立ちが変わる我が子を見ていると、自分の子どもの頃をイメージしてしまいます。
お風呂に入れていると「あぁ、こうやって母にお風呂に入れてもらっていたんだな」とか。
楽しそうにハイハイし始めれば「あぁ、こうやって自分で動ける喜びを知ったんだな」とか。
つかまり立ちして頭から転んで大泣きしているのを見れば「あぁ、こうやって親に心配を掛けていたんだな」とか。
パパの顔を見てニコニコ笑ってくれるのを見れば、「あぁ、こういう幸せな瞬間を積み重ねて、母はいつまでも俺の味方でいてくれるんだなあ」とか。
自分の小さい時と親としての自分、その両面を踏まえながら育児をしている感覚に陥ります。
これは実際に子どもと密に接していないと分からないことなのかもしれません。
色々な家庭や仕事の事情もあるので育児に注力することが難しい場合ももちろんあるのは理解していますが、子どもが小さい頃の育児は親にとっても子どもから与えて貰えるものがあるのだと私は思います。
自分の中で失われていた記憶が見えた気がする
「親のありがたみは、自分が子どもを持って初めて分かるもんなんだよ」なんて、誰が言い始めたのかはわからないけど、本当にその通りかもしれません。
私自身が思春期の頃は、母に辛辣な言葉を浴びせてしまったこともあります。息子らしからぬ、冷たい態度を取ってしまったこともあります。
そんな過去はもうやり直せないので後悔はあるものの、そんな過去があっても私のことを愛してくれる母の愛の源泉が見えてきた気がするんです。
特に男性は自分の体で子どもを産むことはできません。子どもへの愛情を育むというのは、こういう経験を重ねることで成しえるものなのかもしれません。
生きていくために色々な事情はやっぱりあります。
それでも、積極的に育児をすることで得られることがあるんだと、しみじみ実感する今日この頃です。