【海外の組体操】スペイン版の組体操『人間の塔』は日本と比べものにならないほど高かった!

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最近、ネットやマスメディアにおいて『運動会における組体操の是非』が話題になっています。

ただ、『組体操』という種目自体と今回話題になっている『組体操』では、呼び方の点で少し齟齬があるかなあ、と。


photo by Elvert Barnes

ほら、だって組体操って『』とか『サボテン』とか、そういうのがメインじゃなかったですか?世代の違いなのかもしれないですが、わたしの中の組体操のイメージってそういう割とシンプルなものなんですよね。(サボテンや倒立を含む技でも、やっぱり多少の危険性はあるのは事実ですが・・・)

で、今回話題になっているのは、組体操のうちの1つである『人間ピラミッド』についてです。

YouTube
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もちろん感動するほど美しい『人間ピラミッド』があるのかもしれません。ただ、この動画を見たときに「やっぱり10段ピラミッドは危険性が高い」と再認識しました。

最下段の人間が耐える重さが200kg近いという記事もありますし、ピラミッドが崩れたときの危険性はかなり高いです。あれでは骨も折れます。もし『人間ピラミッド』を行うのであれば、崩れたときの危険性を充分に考慮したものではないと行うべきではないと思います。(解決策があるかどうか分かりませんが)

組体操 高さ7m、1人の生徒に200kg超の負荷 10段・11段…それでも巨大化▽組体操リスク(3)(内田良) - エキスパート - Yahoo!ニュース
巨大化する組体操運動会の季節がやってきた。感動のクライマックスは、組体操である。今日の組体操を見て、保護者世代は、自分たちの頃とちがったものを感じるのではないだろうか。組体操はいま、見世物としての性格

ちなみにわたし自身、小学校の頃に運動会で5段か6段ピラミッドで、土台となる一番下の役割を担ったことがあります。

ただ、記憶にあるのは「しんどかった」ことだけなんですよ。一番下になると、上に乗る人たちの重量を支えるのに精一杯で「早く終わって欲しい」としか思えなかったこと覚えています。

一番上でかっこよくポーズを決めてるクラスメイトを少し羨ましくも思いましたよ、ええ(泣


と、わたしの個人的な意見を述べるのはここまでにして、ここからが本題です。

これらの話題に関する『人間ピラミッド』の動画を見ていてふと思ったのが、

海外の組体操ってどんなんなんだろう?

ということでした。

日本でこれだけ当たり前のように行われているんだから、当然海外でもやってるんだろう!と思ったんですよね。

とはいえ、そもそも海外で組体操が行われているかどうかも分からなかったので、そこから調べてみました!

※本記事ではFlickrで公開設定されていて、且つCCライセンスの画像をクレジット表記をして使用させて頂いています。

海外(世界)での組体操

人間ピラミッド
photo by Rachel Kramer

まずこういう情報を調べる時に役立つのがWikipediaですね。ということで、Wikipediaの『組体操』のページを見てみると、このような記述がありました。

日本では組体操が大変盛んで主催当該校監督責任の下、強制に依らない生徒の自発的な参加が推奨されているが、そのような体制をとる国は稀有であり西側諸国では組体操は一般的ではなかった。

2009年マレーシアで東南アジアパラリンピックが開催されその開会式に組体操がNGOによって披露されたが、現在では国際体育大会ですらこのような例は少ない。

引用元 : 組体操 – Wikipedia

なるほど、組体操は日本以外では盛んではなかったということですね。

それよりも、組体操は「強制に依らない生徒の自発的参加」とありますが、小学生の時分にはそういう分別は付かないような気がします・・・。

さらに読み進めていくと、こんな記述がありました。

21世紀の現代においては、学校や軍隊などの強制動員力によらない自発的な組体操が、NGO諸団体によって、ブラジル、マレーシア、香港、韓国、インドネシア、フィリピン、アメリカでおこなわれている。

日本の学校以外で行われる大規模組体操はブラジル、インドネシア、フィリピンが盛んである。

あれ、海外でも組体操が行われている?

よーく見てみると、「強制動員力によらない自発的な組体操」と書かれています。注目すべきはここでしょうか。NGO諸団体によって組体操が行われていますが、基本的には『自発的』という点が違いますね。

有志が集まって組体操集団を組織しているのでしょうね。マレーシア、香港、インドネシア、ブラジルでは地域文化にもなりつつあるらしいので、お祭りなどの地域イベントで披露されることが多いようです。


組体操は英語で何と言うのか?

組体操イメージ
photo by Tumaini Group

じゃあ、組体操の実際はどんなものなのかと調べようと思ったのですが、組体操って英語で何て言うんだ!? という疑問にぶちあたりました。

Wikipediaにも、「組体操に相当する統一された英語表現はまだない」という記述があるように、検索してもめぼしい情報が出てきませんでした。

翻訳サイトで『組体操』を変換しても、「Group exercises」「Set gymnastics」とちょっと違う答えが返ってくるので、巡り巡ってWikipediaに記載されている「gymnastic formation」という表現が適当かなと考えました。

組体操 = gymnastic formation ??

たしかにそれっぽい画像や動画は見つかるのですが、それらは日本のものだったり、『大規模組体操』と言えるほどすごいものではなかったんですよね。

ヒントは『人間ピラミッド』にあった

じゃあ、『人間ピラミッド』を直訳して「human pyramid」ならどうだろう?と思って調べてたら、気になる画像を見つけました。

人間の塔(Human Tower)
photo by calafellvalo

ん?なんだこれ?ピラミッドって言うよりはタワーじゃないのか?

と思って、今度は「human tower」で調べてみたら、YoutubeやFlickrでたくさん出てきました!

人間の塔(Human Tower)
photo by Jaume Escofet

((゜Д゜;;)えっ・・・ちょっと高過ぎやしませんかね?

しかも映ってるのは小さな子どもたち。

しかし、これがまさしく海外で行われている『組体操』なのではないでしょうか!

※ちなみにブラジルも盛んだと掻かれていたのでポルトガル語でも調べてみたのですが、調べ方が悪いのかめぼしい情報は見つかりませんでした。残念。

実はスペインの伝統行事だった

これを調べていて初めて知ったのですが、この「人間の塔」と呼ばれるものはユネスコ無形文化遺産にも記載されるほど有名なものだそうです(汗

スペインのカタルーニャ地方で200年以上続く伝統的に行われているもののようで、秋が盛んなものの一年を通して色々なお祭りやイベントで披露されています。

この「人間の塔」を作る活動をしているチームは、フランスや中国にも存在しているようです。(実際に中国で行われている様子がYoutubeで見られました)

ちなみに、「人間の塔」は英語だと「Human Tower」と訳されますが、カタルーニャ語では「castell(カステイ:城の意味)」となります。

では、「人間の塔」がどれほどすごいのか見てみましょう!


無形文化遺産『人間の塔』のすごさ

人間の塔(Human Tower)
photo by calafellvalo

日本だと、みんなが片膝付いて段々に乗っていく『人間ピラミッド』が主流ではありますが、『人間の塔(Human Tower)』は日本のものとは全然違います。

見た目もまさしくタワーという感じで、みんな立った状態で上に乗っていきます。土台となる人たちは大勢いますが、2段目~3段目くらいまでが土台となっていて、その上からは2~4人に絞って高さを目指しているように見受けられます。

人間の塔(Human Tower)
photo by calafellvalo

スタジアム(闘牛場?)のようなところで、大勢がいる中で『人間の塔』が組まれていますね。観客席にもたくさんの人がいますので、競技会の様子でしょう。

みんな足を肩に乗っけています。上に行くに連れて小柄な人が乗っているので、仮に平均身長が165cmとして、顔の長さが25cmだとすると、一人当たり140cmの高さを積むことになります。色んな写真を見ていると、だいたい8段前後の高さのタワーをよく見かけました。

8段のタワーの高さをざっくり計算する 140cm × 8 = 1,120cm = 11.2m の高さになるでしょうか。まあ実際は踏ん張ったりして膝や背中が曲がるので、だいたい10mくらいが妥当でしょうかね。相当高いですね。

プールの飛び込みで10mの高さを経験したことがありますが、慣れないうちは目がくらくらしたほどでしたよ。

人間の塔(Human Tower)
photo by Liz Castro

土台の人たちの数がすごいです。ここまでしないとタワーを支えられないのでしょう。

よーく見てみると、みんなそれぞれ隣の人の腰に手を回しています。みんな力を入れている様子がうかがえます。

人間の塔(Human Tower)
photo by Liz Castro

離れて見ても、かなり大勢の土台の人たちが中心に向かって力強く押し込んでいますね。そうしないと中心部分が崩れてしまうんですね。(画像では見えませんが、タワーの真下にいる人たちも大変そう・・・)

ちなみにこの土台に関しては、同じチームでなくてはならないということではないようです。競技会でも、相互に助け合う精神が現れています。

しかし、こうやって見ているとまさしく塔に見えますね。1つの塔にたくさんの人が登っている様子は、生で見たら目が離せないでしょうね。

人間の塔(Human Tower)
photo by calafellvalo

小さな女の子。ヘルメットを被って衣装を着ているので、これから上に登るのでしょうね。

不思議と怖がっている様子を感じません。

人間の塔(Human Tower)
photo by calafellvalo

子どもたちがヘルメットを被って上に登っていく様子です。

人間の塔(Human Tower)
photo by Stasiu Tomczak

上段で支え合う人々と上に登る人たち。

人間の塔(Human Tower)
photo by Sole Perez

前をまっすぐ見つめ塔を支える男性。複雑に絡み合う腕と足の強靱さが見とれてます。塔を完成させるためには、肉体的な強靱さだけではなく精神的な強靱さも要求されます。

人間の塔(Human Tower)
photo by Alessandra Pezzotta

下から見上げたワンショット。高さが伝わってきます。

人間の塔(Human Tower)
photo by Jaume Escofet

こうやって人工建築物と並んでいる様子をとらえた写真を見ると、本当に『人間の塔』という呼び方がぴったり当て嵌まります。

人間の塔(Human Tower)
photo by calafellvalo

タワー成功を喜ぶ人々。お祭り感もありますが、みんなで何かを成し遂げたという達成感がひしひしと伝わってきます。

人間の塔(Human Tower)
photo by calafellvalo

こちらもタワー成功を喜ぶ人々。年齢、性別関係なくみんなで喜びあっています。

こういうみんなで一つのことを達成する感じが、日本の組体操とは全然違いますね。


動画で見る『人間の塔』

Youtubeを見てみると、動画でも「人間の塔(Human Tower)」の様子が見られました。参考までにご紹介したいと思います。

Tarragona, Spain human tower competition

スペインで行われた競技会の様子を撮影した動画です。チーム毎に色の違う格好をしているので、会場全体がカラフルな様相をしています。

動画で見てみても、下から体格のしっかりした人が支えていき、最後は小さな子どもが登っていっています。頂点でポーズを取ったり取らなかったり、チームによってアピールの仕方も変わっていますね。タワーの組み方もチームによって異なります。


ただ見てて思うのが、失敗して崩れてしまうチームが多いことです。練習に練習を重ねて挑んでいるのだと思いますが、それでも失敗してしまうほど難しい競技だということでしょう。(それゆえに、Youtubeのコメント欄でも批判的な意見が見られました)

見た目の凄さという一面だけを捉えると感動的ではありますが、実際は危険と隣り合わせということを忘れてはいけません。それだけ熱意を持って取り組んだ結果、これだけの偉業を成し遂げているということだと思います。

スペインに行く機会があれば、ぜひともこの目で見てみたいものです!

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この記事を書いた人
もぐ

5歳からファミコンを始めて今では立派なおっさんゲーマー。元システムエンジニアで、システム開発にも関わっています(お問い合せはこちらまで)

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